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南千田の家

中国新聞土曜版ちゅーピー住まいる 2012年6月9日「快適空間」


採光高め私生活ガード 細長い窓で視線カット

 
オブジェを思わせる外観だ。Tさん一家は昨年末、中区の住宅街にそんな個性的な鉄筋コンクリート造2階建てを完成させた。「親類が大勢集まる家にしたい」と建築家の古本竜一さん(中区)に設計を依頼。古本さんは1階に個室や浴室を集め、2階を居間1室とし、約25畳の広さを確保した。

敷地東側に道路と公園を望む。通常なら2階の東壁に大窓を設けるが、視線を遮るため細長い窓を配置した。窓からは公園の木々の緑が見え、まるで自然を描いた一幅の絵画。打ち放しの壁と好対照だ。
 
東側以外の三方は建物に囲まれるため、採光性とプライバシーを両立できるよう工夫した。例えば南側はバルコニーの壁を高くし外部からの視線をカットした上で大きな窓を設置。東側1階にも窓を設けたが、窓と同じ素材のついたてで覆い隠し、壁とのすき間を利用して光を入れた。「盆や正月に独立した息子や兄や妹の家族が遊びに来ても全員に泊まってもらえる」と満足そうだ。


屋根で包む家

中国新聞土曜版ちゅーピー住まいる 2011年6月18日 快適空間


縦空間広げ解放感 「吹き抜けの天窓から光」

 
四角形の望遠鏡が突き出たような外観だ。40代のSさん夫妻は今年4月、中区にコンクリート造3階建てを完成させた。便利な都心に立地するが、間口5メートル、奥行き20メートルと細長い地形の上、南側には4階建ての高校の校舎、三方には建物が隣接。

「人目を気にせず、伸び伸び暮らしたい」と建築家の古本竜一さん(中区)に設計を依頼した。古本さんは、細長い箱のような建物を考案した。向かい合う学校の教室からの視線を妨げるよう南側の屋根を下方に傾斜。北へ向けて天井を少しずつ高くし、閉塞感をなくした。南は地上からの高さが5メートル、北は10メートルと高低差があり、ユニークな外観となった。
 
1階に居間、2階に主寝室、3階に子ども部屋があり、吹き抜けになっている。「天井に設けた二つの窓からすべての部屋に光が降り注ぐ。圧倒的な解放感です」とSさん。
庇や壁を深くしてプライバシーを守り、採光性を高めるため、2階南側をガラス張りにした。まさに都心の隠れ家だ。